FREENANCE(フリーナンス)は、フリーランス・個人事業主向けの「お金と保険」のサービスです。請求書を早く現金化できる「即日払い」、仕事中の事故に備える「あんしん補償」、屋号でも作れる「フリーナンス口座」がセットになっていて、現在は東証グロース上場のフリー株式会社(freee)が運営しています。
この記事では、公式サイト(2026年10月時点)をもとに、即日払いの手数料や対象になる請求書、あんしん補償の内容、使う前に知っておきたい条件を整理し、ペイトナー・ラボルとの違いも比べました。
この記事のポイント
- 即日払いの手数料は請求額の3〜10%。フリーナンス口座の利用状況で下がる仕組み
- 対象は法人宛ての請求書のみ。取引先の振込先をフリーナンス口座にする必要がある
- 当日16時半までに承認されれば当日中にメインバンクへ振込
- 会員には仕事中の賠償事故に備えるあんしん補償(損害保険ジャパン引受)が付く
- 個人宛ての請求書が中心ならペイトナー、すぐに口座を変えられないならラボルも候補
FREENANCEとは
| 項目 | 内容(2026年10月時点・公式サイトより) |
|---|---|
| 運営 | フリー株式会社(東証グロース上場) |
| 即日払い | 請求書の買取(2社間ファクタリング)。手数料3〜10%、最短5分で入金 |
| フリーナンス口座 | 屋号・ペンネームでの開設も可(開業届の提出が条件) |
| あんしん補償 | 業務中の賠償事故などを補償(損害保険ジャパン引受) |
| 会員登録 | 現住所記載の写真付き身分証で登録。通常120分以内に完了 |
即日払いの手数料と仕組み
即日払いは、取引先に送った請求書をFREENANCEに買い取ってもらい、支払期日より前にお金を受け取る仕組みです。借入ではないため、信用情報機関への照会や登録はなく、担保や保証人も不要と案内されています。
手数料は3〜10%
手数料は請求書の額面の3〜10%で、フリーナンス口座の利用状況に応じて下がるとされています(どの条件で何%になるかの詳細は公式サイトに記載がありません)。たとえば20万円の請求書なら、手数料は6,000円〜20,000円の幅になります。
| 請求額 | 手数料3%の場合 | 手数料10%の場合 |
|---|---|---|
| 10万円 | 3,000円(手取り97,000円) | 10,000円(手取り90,000円) |
| 20万円 | 6,000円(手取り194,000円) | 20,000円(手取り180,000円) |
| 50万円 | 15,000円(手取り485,000円) | 50,000円(手取り450,000円) |
※振込手数料などは含めていません。実際の手数料率は申込み時に確認してください。
対象になる請求書と条件
- 法人宛ての請求書が対象。個人・個人事業主宛ての請求書は利用できない
- 請求書に請求金額・請求日・振込期限・請求先会社名・振込口座(フリーナンス口座)などの必須項目が必要
- 取引先からの入金先をフリーナンス口座にしておく必要がある(法人口座からの振込のみ受付)
- 取引先にFREENANCE事務局から連絡することは原則ない
入金のタイミング
当日16時半までに承認されると、当日中にメインバンクへ振り込まれます。それ以降は翌営業日です。
あんしん補償(フリーランスの賠償責任保険)
フリーランスは、納品物の不具合や作業中の事故で取引先に損害を与えたとき、自分で賠償しなければなりません。FREENANCEの会員には、こうした事故に備える「あんしん補償」(損害保険ジャパン株式会社の引受)が付いています。
| 補償内容 | 1事故あたりの上限(一般) |
|---|---|
| 業務遂行中の補償 | 5,000万円(自己負担額20万円) |
| 仕事の結果(PL責任)の補償 | 5,000万円 |
| 受託財物の補償 | 500万円 |
| 業務過誤の補償(情報漏えい・著作権侵害・納期遅延など) | 500万円 |
※土木・建築工事、清掃などの「工事業等」は上限が異なります。保険料の扱いや対象者・補償の条件は、公式サイトの「概要」「あらまし」(PDF)で必ず確認してください。
ペイトナー・ラボルとの違い
| 項目 | FREENANCE | ペイトナー | ラボル |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 3〜10% | 一律10% | 一律10% |
| 個人宛ての請求書 | 対象外 | 対象 | 対象外 |
| 口座の指定 | フリーナンス口座が必要 | 不要 | 不要 |
| 入金 | 16時半までの承認で当日 | 審査後、最短即日 | 審査完了後、最短30分 |
| 付帯サービス | あんしん補償、屋号口座 | ― | ― |
| 公式サイト | FREENANCE | ペイトナー | ラボル |
法人の取引先が多く、毎月の入金をフリーナンス口座にまとめられる人は、手数料が下がる可能性と補償があるFREENANCEが向いています。すぐに振込先を変えられない場合や、個人宛ての請求書を使いたい場合は、ペイトナー(評判と手取り計算)やラボルを検討しましょう。
FREENANCEが向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 取引先が法人で、入金先を変えられる | 取引先が個人・個人事業主 |
| ファクタリングの手数料を少しでも下げたい | 今すぐ一度だけ現金化したい(口座変更が間に合わない) |
| 仕事の賠償事故に備えたい | すでに賠償責任保険に入っている |
| 屋号で事業用口座を分けたい | 取引先に振込先の変更を伝えにくい |
使う前の注意点
- 手数料は年率に直すと高くなる。毎月の資金繰りを即日払いに頼らない
- 請求書の記載漏れや請求情報との違いがあると、審査前に断られることがある
- 取引先から入金されたら、支払期日に弁済の処理がされる。入金が遅れたときの扱いは規約で確認
- あんしん補償は保険なので、補償されない事故(免責)がある。加入前に「あらまし」を読む
申込みの流れ
- 公式サイトから無料の会員登録(写真付き身分証が必要)
- フリーナンス口座を開設し、取引先への振込先をフリーナンス口座に変更
- 即日払いを使うときは、請求書と請求情報を登録して申請
- 審査・承認後、メインバンクに振込(16時半までの承認で当日)
ファクタリングの基本:2社間・3社間と償還請求権
ファクタリングは、まだ入金されていない請求書(売掛金)をファクタリング会社に売り、手数料を引いた金額を先に受け取る仕組みです。お金を借りる「融資」ではなく、債権の売買です。
| 種類 | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| 2社間ファクタリング | 利用者とファクタリング会社の2者で契約。取引先からの入金はいったん利用者が受け取り、ファクタリング会社に支払う | 取引先に知られにくい。手数料は高め |
| 3社間ファクタリング | 取引先も承諾し、取引先がファクタリング会社に直接支払う | 手数料は低めだが、取引先の承諾が必要 |
FREENANCEの即日払いは2社間の仕組みです。また、取引先が倒産して支払われなかったときに利用者が支払う義務があるかどうか(償還請求権の有無)も、契約前に必ず確認しましょう。
ファクタリング以外の資金繰りの方法と比べる
| 方法 | お金が入るまで | コストの目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ファクタリング(請求書の買取) | 最短即日 | 手数料(数%〜10%程度) | 急ぎの支払いがある、借入をしたくない |
| 日本政策金融公庫の融資 | 数週間程度 | 年利数% | 開業資金・設備資金など計画的な資金 |
| ビジネスローン・事業者ローン | 数日〜 | 年利十数%程度のことが多い | 短期のつなぎ(返済計画が必要) |
| 取引先との支払条件の交渉 | 交渉次第 | 0円 | 継続取引で、支払サイトが長すぎる場合 |
※コストは一般的な目安です。実際の条件は各社・各機関で確認してください。資金不足が毎月続く場合は、支払サイトの見直しや固定費の削減など、根本的な対策を優先しましょう。
違法な業者・トラブルを避けるために
- 「給与ファクタリング」(給料を買い取るとうたうもの)は、金融庁が貸金業に当たるとの見解を示しており、無登録業者の利用は避ける
- 「審査なし」「誰でも必ず買取」をうたう業者は避ける
- 手数料のほかに高額な「事務手数料」「調査料」を後から請求されないか、見積もりで総額を確認する
- 契約書(電子契約を含む)の控えを必ず保存する
- 請求書の偽造や、同じ請求書を複数社に売る二重譲渡は犯罪になる
申し込む前のチェックリスト
- 請求書の支払期日と金額が確定しているか
- 取引先は法人か個人か(サービスによって対象外がある)
- 必要書類(請求書・入出金明細・身分証・開業届など)がそろっているか
- 手数料と振込手数料を引いた手取り額で、支払いに間に合うか
- 取引先から入金されたら、すぐにファクタリング会社へ支払えるか
よくある質問
Q. 会員登録にお金はかかりますか?
公式サイトでは無料登録とされています。有料プランの有無や料金は公式サイトで確認してください。
Q. 取引先にファクタリングを使ったことは伝わりますか?
FREENANCE事務局から取引先に連絡することは原則ないと案内されています。ただし振込先をフリーナンス口座に変える必要があります。
Q. 運営会社はどこですか?
2026年10月時点の公式サイトでは、フリー株式会社(東証グロース上場)が運営と記載されています。
まとめ
FREENANCEは、法人宛ての請求書を手数料3〜10%で早く現金化でき、仕事の賠償事故に備える補償や屋号口座も使える、フリーランス向けのサービスです。取引先が法人で、入金先をフリーナンス口座にまとめられる人に向いています。個人宛ての請求書が中心ならペイトナーも比べてみましょう。


